配管の熱損失とは?

周囲より熱い流体が配管を流れる間に、管壁や断熱材を通して外へ逃げる熱です。流体の温度はその分下がります。

長い配管では、出口で必要な温度が保てるか、断熱材がどれだけ要るかを決める数字です。冷えすぎると結露や析出の原因にもなります。

魔法瓶のお湯が冷めにくいのは、熱の通り道(熱抵抗)が大きいからです。配管の断熱材も同じ働きをします。

配管ブロックの「熱移動」で、断熱・自動計算・熱損失量の指定・出口温度の指定から選びます。自動計算は、総括伝熱係数Uを使う簡易モデルと、管内熱伝達・管壁・断熱材・管外の対流と放射を積み上げる詳細モデルがあります。出口温度を指定した場合は、必要な熱移動量を逆算します(熱損失量と同時には指定できません)。

簡易モデルの区間ごとの熱損失は次の通りです(D_o:外径)。
\delta\dot{Q} = U\,\pi D_o\,\delta x\,(T - T_\infty)
詳細モデルは単位長さあたりの熱抵抗を直列に足し、外表面温度を収束計算します。
R = \frac{1}{h_i \pi D_i} + \frac{\ln(D_o/D_i)}{2\pi k_w} + \frac{\ln(D_s/D_o)}{2\pi k_{ins}}
管内はGnielinskiの式(層流は Nu = 3.66)、管外は無風ならChurchill–Chu(自然対流)、風があればChurchill–Bernstein(強制対流)、放射は \varepsilon\sigma(T_s^4 - T_\infty^4) です。物性は区間ごとに温度・圧力で更新します。

熱収支(熱の出入り = エンタルピー・運動エネルギー・位置エネルギーの変化)が成り立つことを、計算のたびに確認しています。