CSTR(完全混合反応器)とは?

ガスを連続的に供給・排出しながら、完全混合状態で反応させるモデルです。流入・流出・化学反応が釣り合った定常状態を計算します。

新しく流入したガスは、反応器内に存在する反応途中のガスと瞬時に完全混合されると仮定します。連続燃焼器や完全混合反応器の解析に適しています。滞留時間が短すぎると反応が続かなくなる(吹き消える)ことも調べられます。

平均滞留時間を2秒に設定しても、すべてのガスが2秒間反応するわけではありません。すぐに出ていくガスも、長く留まるガスもあり、その平均が2秒です。よくかき混ぜた鍋に冷たい水を少しずつ足すと、鍋全体の温度が一度に少し下がるのと同じです。

CSTRブロックは、入口(複数可、断熱混合)を体積一定の反応器に送り込み、運転圧力(既定は入口圧力)を保つように同じ量を取り出して、定常状態を Cantera で求めます。反応器容積か平均滞留時間のどちらか一方を指定します(同時には指定できません)。滞留時間を指定すると、定常状態の密度から必要な容積を求めます。定常状態を探すために積分した時間は滞留時間とは別の値で、上限を超えても収束しなければエラーにし、結果として表示しません。定常状態が複数ありうるため、解き始めた状態(平衡状態=燃えている側、入口状態=燃えていない側)を結果に記録します。

Residence Time Reactor との違い

- 流入・流出:Residence Time Reactor は反応中なし、CSTR は連続的に存在
- 時間の意味:指定した反応時間/平均滞留時間
- 新しいガスとの混合:なし/あり
- 主な計算結果:指定時間後の状態/定常出口状態
- 主な用途:反応速度・時間変化/連続反応器の解析

定常状態では化学種 k ごとに
\dot{m}\,(Y_{k,\mathrm{in}} - Y_k) + \dot{\omega}_k W_k V = 0
エネルギーは \dot{m}\,(h_{\mathrm{in}} - h) + \dot{Q} = 0 が成り立ちます。計算後にこの2つの収支を検査し、閉じていなければ結果にしません。平均滞留時間は反応器内(=出口)の密度で \tau = \rho V / \dot{m} です。一次反応 A \to B では x_A = 1/(1 + k\tau) となり、同じ時間の回分反応 e^{-k t} より反応が進みません。

初期版は気相・理想気体・体積一定・定常状態です。